銀行判断、融資と決算書の関係
決算書とは?
金融機関が融資をする際に欠かせないのが決算書です。 一般的に、決算書とは、『貸借対照表』『損益計算書』『キャッシュフロー計算書』の3つをいいます
貸借対照表
まず銀行が見るのが、貸借対照表の純資産です。つまり、自己資本がどの程度充実しているかです。
自己資本比率が極めて小さい会社や、赤字が累積して利益剰余金がマイナスとなり、その結果、自己資本比率がマイナスの値となっている会社では、他人資本に頼った不安定な経営を行わざるをえず、倒産する危険が高いのです。
このような企業には、当然銀行は融資を控えるでしょう。
豆知識!
自己資本比率の優良企業の目安は53%、赤字企業の平均はマイナス4%、黒字企業の平均は25%です。
損益計算書
損益計算書の中で最も重要なのが経常利益です。
最終的に出されるのは『当期純利益』ですが、これには『特別損益』が絡んできます。当期純利益では、特別損益によって、企業が儲かっているのように錯覚したり、業績が悪く見えたりすることもあります。
しかし、経常利益を見れば、企業が通常の営業を行っているときにどの程度儲かっているのかがわかりますし、他期と比較する際にも判断を誤ることが少なくなります。
経常利益の数値が高いほど、銀行は安心して融資を行えるということになります。
キャッシュフロー計算書
最近ではキャッシュフロー計算書が注目されるようになっています。
これは金融機関が不良債権の自己査定を行ったとき、それを算定する金融庁がキャッシュフロー計算書をチェックするからです。
キャッシュフロー計算書は、会社のキャッシュの増減を一会計期間で示したものであり、キャッシュとは現金及び現金同等物のことです。
キャッシュフロー計算書で、会社にどのくらいのお金があるかがわかります。
キャッシュフロー計算書において、自由に使えるお金(フリーキャッシュフロー)が多い会社であれば、借入金の返済が可能です。銀行もフリーキャッシュフローの多い会社であれば信用して融資を行えるといえます。
今のところ、中小企業に関してはフリーキャッシュフローの作成・開示は義務づけられていませんが、実際には銀行から融資を受ける際に提出を求められることが一般的になってきています
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