自己査定(債務者区分)
貸倒のリスク~融資時の銀行判断
金融機関は、返済の可能性が低い債権を的確に把握し、それらに対して早期の対策を講じる必要があります。
こで、融資先を貸倒のリスクに応じて6段階に区分しています。これを『自己査定』といいます。
それぞれ6つの区分に対して、銀行では貸倒引当をしなければならないよう義務づけられています。
ここ最近の、各銀行の引当率をおおまかにまとめてみると以下のようになります。(いくつかの銀行の平均ですので、単なる目安として見てください)
分類区分 | 銀行の貸倒引当率 |
正常先 | 債権額の約0.1~.5% |
要注意先 | |
要管理先 | 債権の無担保部分に対し約40% |
破綻懸念先 | 債権の無担保部分に対し約75% |
実質破綻先 | 債権の無担保部分に対し約100% |
破綻先 | 債権の無担保部分に対し約100% |
これを見てもわかるように、要管理先以下の債権に対する貸倒引当率がかなり高くなっています。つまり、自己査定で、要管理先以下に分類されると、新たな融資はかなり困難になってくるということです。
正常先
業況が良好で、財務内容に問題がない企業。
要注意先
- 業績が低調または不安定な企業。
- 財務内容に問題があり、今後の管理に注意を要する企業。
- 不渡手形、融通手形、期日決済に懸念のある割引手形を持っている。
- 融資が実質的に繰越欠損の補填にされている。
要管理先
- 金利減免、棚上げをしているなど、貸出条件に問題がある。
- 元本返済、利息支払が事実上延滞している。
- 元金または利息支払いが、実質的に3か月以上延滞している。
- 金利減免、棚上げ、あるいは元本の返済猶予など貸出条件の大幅な軽減をしている。
- 極端に長期の契約がされている。
破綻懸念先
- 現状、経営破綻の状況にはないが、経営難の状態であり、経営改善計画などの進捗状況がよくなく、今後経営破綻に陥る可能性が高い。
- 事業を継続しているが、実質債務超過の状態。
- 業況が著しく低調で、貸出金が延滞状態にある。
実質破綻先
- 法的、形式的な経営破綻の事実は発生してないが、深刻な経営難の状態にあり、再建の見通しがない。
- 実質的に大幅な債務超過の状態に相当期間陥っており、事業好転の見通しがない。
- 元金または利息について、実質的に6か月以上延滞している。
- 経営改善計画の進捗状況が計画を大幅に下回っている。。
破綻先
- 法的、形式的な経営破綻の事実が発生している。
- 破産、清算、会社整理、会社更生、民事再生、手形交換所の取引停止などの処分を受ける
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