信用保証協会付融資
1.信用保証協会付融資
信用保証制度は、一定の中小企業が金融機関から融資を受ける際に、所定の保証料を信用保証協会に支払うことによって、万が一融資の返済ができなくなった場合の代位弁済を保証協会が金融機関に対して保証する融資制度のことです。
銀行が直接貸せないような企業への融資に対して、保証協会が保証をつけることにより融資をしやすくしているのです。
2.信用保証料
正式には『信用保証料』といいます。企業が信用保証協会に保証をしてもらって融資を受けた場合、企業が協会に支払うものです。保証額や期間、返済方法によって保証料は変わります。制度融資を使うと保証料の一部が免除になることもあります。
3.信用保証協会の代位弁済と責任共有制度
信用保証協会の代位弁済
企業が融資を返済できなくなった場合、債権が銀行から保証協会に移ります。つまり、保証協会が不良債権を銀行のために肩代わりすることで銀行のリスクをなくすのです。
ここで注意したいのは、融資を受けた企業からみたら、返済できなくなったら保証協会が銀行に返済してくれるのではなく、あくまでも返済先が銀行から保証協会に変わるというだけで、債務はなくならないということです。融資する銀行のための制度だということを頭に入れておきましょう。(これによって、企業にとっては融資を受けやすくなるというメリットはあります。)
代位弁済が変わる(責任共有制度)
この代位弁済の部分に、2007年10月から「責任共有制度」という制度が導入されました。この「責任共有制度」は、融資の貸倒リスクを信用保証協会と金融機関が共有しようというものです。
具体的には、これまで原則として融資額の100%の代位弁済を信用保証協会が保証していましたが、2007年10月からは金融機関側も、原則として20%の信用リスクを負担することになります。
この制度は2007年10月1日以降に、信用保証協会が保証申込を受け付けた融資から適用になります。実際の融資の実行が10月以降であっても、保証申込の受付が9月30日以前であれば、この新信用保証制度の対象とはなりません。
この制度変更によって、中小企業はどのような影響を受けるでしょうか。
この新信用保証制度については、一部の小規模企業(製造業は従業員数20名以下、卸・小売・サービス業は5名以下の法人・個人)に対する、総額1,250万円以下の保証付き融資などについては対象外となっています。
しかし、それ以外の保証付き融資は原則この責任共有制度の対象となります。金融機関も、これまでゼロだったリスクが20%のリスクを負うことになることから、保証付き融資とはいえ、無責任に融資を行うことはできなくなります。2007年10月以降は、中小企業にとっては、それまでより資金調達が困難になっています。
4.銀行を通さずに信用保証協会を直接利用できる?
<制度融資>
制度融資は、都道府県や市区町村が地域の中小企業対策の一環として、保証協会のシステムを利用して融資をサポートするものです。
利子補給が受けられて実質的な金利が安くなったり、保証料が一部免除になったりというメリットがあります。(制度融資は地域によって内容が異なりますので、保証協会に問い合わせてみることが必要です)
<保証協会に直接信用保証を申し込むこともできる>
保証協会付融資は、多くの場合、銀行の窓口を通して申込みをしますが、 必ずしも銀行を通して申し込まなければならないわけではありません。
直接、保証協会の窓口に保証を申し込むことも可能です。
ただし、保証をしてもらえても銀行の審査に通らなければならないことに 変わりありません。最終的には銀行に融資の申し込みをすることになります。 また、保証協会に直接申し込んだほうが審査が甘くなるということでもありません。
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