期ズレ、売上計上を次期にずらす-誤った節税対策
期ズレとは?
商売を始めると、「売上」を上げるのが大変重要になってきます。「売上」を上げないと、経費を払うことができないからです。自分やスタッフのお給料も払えません。
しかし、少しうまくいき出すと、安易に考え出すのが「売上」です。
勿論、契約を取ったり、販売したりすることに、妥協は無いでしょう。ここで、指摘したいのは、「儲かると、売上の計上を次期にずらす」という、いわゆる“期ズレ”をいとも簡単に選択してしまうことなのです。
「期ズレって何?」
あなたは、そうお聞きになるかもしれませんね。
“期ズレ”とは、本来は、当期の売上に計上しなければならない「売上」を、操作して、翌期に回すことなのです。
つまり、その分当期の売上は少なくなり、利益も圧縮でき、税金も減少できるということです。
継続性が大切
「そんなことができるの?問題ないのなら、やればいいんじゃない?」
いえ、そうは簡単にいかないのです。なぜなら、会社の好き勝手に期ズレを許すと、税金を減らすことになるのです。次の図を見てください。
売上は、どの時点で計上するのかは、「出荷」、「到着」、「検収」のいずれでも良いのです。
ですから、出荷時点で計上することで通すのであれば、問題ないのですが、次のように、出荷の後、到着の前に期末が来てしまうと、処理を考えないといけないのです。
出荷時点で、売上を計上していても、
「相手に到着した時点で売上の計上にしてしまえ」
と思った場合、それはそれで良いです。別に違法ではありません。
問題は、毎期〃〃、それをコロコロと変えてはいけないということなのです。
設立当初は、出荷時点で売上を計上していました。当期は、利益が出すぎるので、到着時で売上を計上することに変更しました。来期は、利益が足りないので、「また、出荷時点の計上に戻すか」
これは、認められません。なぜなら、会計や税務には、「継続性」が求められるからです。
常識的に考えても「継続性」が必要なのはおわかりいただけますね。
~節税対策のポイントコラム~