「株を買ったから。これで利益を圧縮できますよね?」
1.株購入=損金扱いの勘違い
世間では、投資を行うことがブームです。しかし、中小企業の社長は、以前から投資を普通に行っていました。
社長さんは、儲けたお金は、有効に使いたいと思うもの。個人で買う株を、法人で買ってしまうのは、日常茶飯事です。
なにせ、個人だとお金に限界がありますが、場合によっては、法人は青天井で使えますからね(資金繰りに影響が無ければですが)。
ところが、誤った誤解がまかり通っています。それは、株を買ったら、その金額全てが「損金(税務用語です。費用とお考え下さい。)になるというものです。
その一端が、節税を図る社長が私に放ったこの言葉、
「株買ったから、その金額で利益を圧縮できるよね?」
なんです。
できません!(苦笑)
株を買ったことだけでは、株という資産が増えるだけです。お金を払ったら、全て“費用”だとは思わないでください。
他に良くあるケースとして、
「車を買ったから、利益を圧縮できるよね?」
「土地を買ったから、利益を圧縮できるよね?」
「社宅を買ったから、利益を圧縮できるよね?」
という場合があります。
車や社宅などには、減価償却費というものがあり、確かに中古車を買った場合、減価償却費が増え、「節税」には有効です。
しかし、ここでも株と同じで、払った金額は、費用にはなりません。というか、土地は、減価償却すら、できません(苦笑)。
減価償却費を狙って買う場合は、慎重に。
なぜなら、払った金額で、資金繰りを悪化させる場合があるのです。節税は図れても、資金繰りがまずくなり、借入に奔走するという、「税金は安くなったけど、お金はそれ以上に減った。最初のまま、税金を払っておいた方が特だった。」という場合が、ほとんどですから。
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