所得税額控除
3.元本の種類と期間按分について4.中間配当などにかかる計算期間について
元本の種類と期間按分について
所得税額は、必ずしもその全額が税額控除されるわけではなく、元本の種類によって 期間按分が必要となるものがあります。
元本の種類と計算方法
(1)預金利子などに対する所得税‥‥全額を税額控除することができます。
(2)公社債の利子、株式の配当、証券投資信託の収益分配金に対する所得税
‥‥元本の所有期間に対応する部分の金額しか税額控除することはできません。
按分の計算方法には『個別法』と『簡便法』の2つの方法があります。
期間按分
配当等の計算の基礎となった期間の、末日の所有者が事故の所有期間に応じて按分します。
配当等の計算の基礎となった期間とは、直前の配当等の基準日の翌日から今回の配当等の基準日までの期間をいいます。
所得税のうち期間按分が必要なものは、①公社債、②株式出資、③受益証券の3区分であり、『個別法』と『簡便法』のいずれかの方法を選択して計算します。
(個別法と簡便法の選択)
個別法と簡便法のいずれによるかについては、利子、配当等の元本を、①公社債、②株式出資、③受益証券に区分し、区分ごとに統一して適用しなければなりません。
- 全銘柄を元本ごとに区分する
A株式 <株式出資>‥‥A株式
B社債 ‥‥
C社債 <公社債>‥‥B社債・C社債 - 元本の区分ごとに個別法又は簡便法の有利選択(多い方を選ぶ)
<株式出資>
1.個別法‥‥A株式100
2.簡便法‥‥A株式150
いずれか多い方⇒簡便法150
<公社債>
1.個別法‥‥B社債500+C社債50=550
2.簡便法‥‥B社債300+C社債60=360
いずれか多い方⇒個別法550
税額控除される所得税額
<株式出資>150+<公社債>550=700
中間配当などにかかる計算期間について
期末配当の他に中間配当がある場合には、中間配当の計算期間と期末配当の計算期間を区分します。 中間配当があった場合には、期末配当の計算期間は中間配当の基準日の翌日から起算します。