求職者(労働者)・求人者(企業)との信頼関係維持
1.求職者(労働者)との信頼関係
職業紹介は、紹介者(あなた)、求職者、求人者との間の信頼関係の上に成り立つものです。
求職者との間の信頼関係の構築・維持は、非常に大切です。信頼関係の構築・維持をなすために、以下のことを実践していくとよいでしょう。。
- 共感的(親和的)接遇
求職者に対しては、相談援助の過程のみならず、その前後を含む全ての場面において、
①親切さ
②リラックスした雰囲気
に終始した接し方が大切です。 - 求職の受理
求職の受理にあたっては、
①求職者の意思を尊重する
②求職者自ら適切な職業を選択するのに必要な雇用・職業情報の提供や相談指導を行う
など、適切な意思決定に向けての援助をする事が大切です - 求職者の希望条件等(職業・仕事の内容を含む)の把握
求職者について、
①本人自身から直接、職業経験の詳細、就労意思や希望条件、資格や免許、技能程度
②求職者の就業緊急度
などについて、正確な把握をする事が重要です - 職業紹介所についての説明
紹介所(あなた)を初めて利用する求職者に対して、
①紹介所の取り扱う職種の範囲、サービス内容のあらまし
②紹介の見通し
などを理解させるよう配慮してください。 - 適格性の追求
求職者が希望している内容は、必ずしも十分な自己理解、環境理解の上にたっているとは限らず、不合理な内容である場合も少なくありません。
①個々のケースに応じて、職業選択に関する指導、社会人・職業人としての心構え等の指導
②適切な職業選択に必要な雇用情報、職業情報の提供と相談援助
③必要の応じた求人者への働きかけを実施
などにより、適切な求人や職種に結びつくよう援助する事が大切です。場合によっては、キャリアカウンセラーなどの紹介もしていくとよいでしょう。
2.求人者(企業)との信頼関係
求人者に顧客として長期にわたり職業紹介を利用してもらうためには、
①紹介終了後も求人者との意志の疎通を密にする
②求人者のニーズにあった情報の提供につとめる
等の手立てを講じ、信頼関係を確立・維持し、継続的に求人の受理ができるよう努める事が大切です。また、人材紹介後、求職者が長期間勤務しなかった場合など、紹介料の支払に対するトラブルもでてきます。求人者とは、常に連絡を取れる状態にし、より良い関係を築くことが必須です。具体的には、次のことを実践しながら信頼関係を確立・維持していくよう、努めてください。
- 求人申込みの受理
求人申込みの受理は、求人者が来所して申し込む場合、求人事務所を訪問して申込みを受ける場合、電話やファクシミリなどで受ける場合等いろいろありますが、いずれの場合も
①求人者の組織体制、雇用方針、運営の実態を把握する事
②求人条件は最終的には文書(直接又は郵送)又は電子メールによって受理する事 が必要です。 - 求人条件(職業・仕事の内容を含む)の正確な把握
求人の受理にあたっては
①従事させる職務と仕事の内容、賃金、労働時間その他の労働条件等を詳細且つ正確に把握すること
②求人者が労働条件の明示を拒む場合は、最適な求職者確保のためには労働条件明示が不可欠である事を説明し、明示を求める
などが大切です。 - 紹介所についての説明
求人者に職業紹介所についてよく理解してもらう事も大切です。
①職業紹介事業の役割
②紹介に関する契約上の事項
③個人情報の保護
その他、求人者の状況に応じ必要な事をよく説明してください。 - 労働市場、労働条件、雇用施策等に関する助言
求人者は労働市場、一般的な処遇条件、人の雇用の方法等についてよく認識していない場合もあります。
①労働条件が市場に比べて著しく低い場合
②雇用の考え方に著しく偏りが見られ、求職者が対応困難な場合
などのときは、適切な助言が必要となります。ただし、助言にあたっては、一方的に押し付けたり、不快感を抱かせたりすることが無いように留意します - 求職者についての情報提供
求人者に対して紹介の対象となった求職者の経歴書の提出に加え、
①本人の希望事項や求人条件との適合性
②価値の高い職業経験内容、特技(スキル)等、特に配慮すべき個別事項
など、紹介所における面接の結果判明した事項の情報提供が大切です。 - 法令違反等に対する助言
求人内容が法令に違反している場合等、そのままでは受理できないものについては、
①求人者に納得のいく説明をして、改善に向けての助言をする
②求人の内容が法令違反かどうかが不明なときは、公共職業安定所、労働基準監督署、社会保険事務所などに紹介・確認する
ここでも、助言にあたっては、一方的に押し付けたり、不快感を抱かせたりすることが無いように留意します。 - 求人受理の拒否
求人受理の拒否をするときは、
①求人の申込み内容が、法令に違反している場合は、その法令を指摘する事
②労働条件が著しく不適当と認められる場合は、その理由を説明する事
が必要とされています。この場合、求人受理の拒否の理由、指導の経過等を記録しておく事も必要です。
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