交際費の経費扱いについて
会社が取引先などへ接待や交際にお金を使った場合には、その金額の一部は損金とならない
交際費とは?
交際費、接待費、機密費などの費用名目で、得意先、仕入れ先その他会社に関係のある人達をもてなした(接待、供応、慰安、贈答など)場合の支出が交際費です。
交際費、,経費科目といった名目ではなく、実質で判断します。支出の相手先は事業関係者に限らず、接待等のために直接・間接に支出する費用はすべて交際費となります。
交際費は一部が損金とならない
会社活動に必要な支出といえば、交際費も費用の一つですが、これが全て法人税の計算上「損金」として認められるとすると、必要以上に交際費を支払ったり、無用の交際費支出で会社資産が損なわれたりすることがあります。
そこで、交際費のうち一定の金額は「損金」として認めないことになっています。従って、別表4で加算調整されます。
「損金」として認められないということは、何が交際費で、何が交際費でないか(広告費や厚生費なら損金算入)をしっかり区分することが、節税につながります。従って、会社経理は交際費の扱いについて処理誤りのないように注意する必要があります。
交際費の損金算入限度額
損金として認められる金額は、期末資本金によって異なります。
期末資本金額 | 損金算入限度額 |
1億円以下 | 交際費の額と600万円定額控除額のいずれか少ない金額の90%相当額 |
1億円超 | ゼロ |
1人当たり5,000円以下の飲食費は除外される
飲食その他これに類する行為のために要する費用であって、その支出する金額が1人当たり5,000円以下のもの(役員もしくは従業員又はこれらの親族のために支出するものを除く)は交際費に該当しません。
従って、すべてが費用(会議費など)として計上できます。
- 接待ゴルフ等で、昼食代も含まれているような場合等、飲食以外の目的に係る接待費用から飲食にかかる費用のみを抜き出すことはできません。
- お中元やお歳暮で飲食物を贈った場合にはこの適用を受けることはできません。
- 同一法人内でなければ、親子・関係会社間であっても認められます。社内の役員・従業員のみでの飲食の場合には、従来通り交際費や福利厚生費または給与に該当するかの判断を行ってください。
- 消費税について税抜経理を行っている場合には、税抜金額で判断します。1次会、2次会で場所を変えるような場合には、その支払先ごとに判断します。
- この適用を受ける飲食費等については、以下に掲げる事項を記載した書類の保存が必要です。
- 飲食等に接待した相手先の氏名・名称・関係、参加人数
- 飲食等の年月日、金額、飲食店の名称・所在地
ワンポイント!
上記5.の2の事項については、通常領収書に記載されていますが、1の事項については会社内でルールを作り管理しなければならないでしょう。
また、この規定は資本金の制限はありませんので、資本金が大きい会社にとっては特にメリットが大きくなっています。
交際費の具体例
交際費の具体例
- 会社の創立記念等の宴会費、交通費及び記念品代
- 代理店契約を結ぶための運動費等の費用のうち、品物購入費用
- 取引先の慶弔・禍福に際して支出する金品
- 取引先を旅行等に招待する費用
- 取引先の従業員に対して取引の謝礼等として支出する金品 など
交際費とならないもの
費用 | 具体例 |
福利厚生費となるもの | ・従業員やその親族等の慶弔・禍福に際して一定の基準に従って支給する金品 ・会社の創立記念等に際し、従業員に供与される通常の飲食に要する費用 |
給与となるもの | ・常時支給される昼食等の費用 ・自社製品を厳戒下で使用人に販売した際における原価と販売価格との差額 |
広告宣伝費となるもの | ・カレンダー、手帳などの物品を贈与するために通常要する費用 ・一般消費者を対象とする抽選等による旅行などへの招待費用 ・得意先に対する見本品、試用品の供与費用 |
会議費となるもの | ・会議に際して茶菓、弁当などを供与するために通常要する費用 ・会議と招待とが併せて行われた場合の会議としての費用 ※会議には、来客との商談、打ち合わせ等が含まれます。 |