青色申告の承認申請・取り消し・とりやめ
青色申告の特典と帳簿と承認申請
内国法人は、所轄税務署長の承認を受けると、法人税申告書を青色の申告書により提出することができます。いわゆる青色申告です。青色申告で65万円の特別控除を受けようとする場合、正式簿記(複式簿記)で記録しなければなりません。正式簿記で記録していない場合は、10万円の控除しか受けることができません
この承認を受けた法人は、青色申告法人といわれ、税法の適用を受ける上でいろいろな特典を受けることができます。
青色申告の特典
- 青色欠損金の繰越控除
- 青色欠損金の繰戻還付
- 租税特別措置法の特別償却
- 租税特別措置法の特別控除 など
<65万円の特別控除の適用をうけるための要件>
・確定申告書の適用欄に、65万円の控除の適用を受ける旨とその金額を記載すること。
・確定申告書に正規の簿記(複式簿記)によって作成した「損益計算書」と「損益計算書」及びその他の必要な明細書を添付すること。
・確定申告書を提出期限までに税務署へ提出すること
・個人の場合は、2月中旬から3月中旬までの確定申告の期間に確定申告書を提出すること。(この期間を過ぎた場合は、控除額は10万円になります。)
帳簿書類
青色申告法人は、上記のような税務上の特典が与えられる代わりに、以下の帳簿書類を備え付けて、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記によることが原則ですが、 現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよいことに なっています。
これらの帳簿及び書類などは、7年間保存することとされています。(ただし、書類によっては5年間でよい)
青色申告の承認申請書の提出期限
青色申告の承認を受けようとする法人は、次に掲げる日までに申請書を提出しなければなりません。
(1)会社を設立した場合
設立の日以後2ヶ月を経過した日と設立事業年度終了のいずれか早い日の前日
(2)既に設立している会社の場合
青色申告書によって申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日
青色申告の取消し
青色申告法人に次のようなことがあると、その事業年度までさかのぼって、青色申告の承認が取り消されます。
- 帳簿書類の備え付け、記録、保存が決まりどおりにできていない
- 帳簿書類について、税務署長の指示に従わなかった
- 帳簿書類の取引記録、記載に隠蔽や仮装など不正があった
- 確定申告書を提出期限までに提出しなかった
青色申告を取り消されるということは、税法上認められている特典が受けられなくなるということです。 特に、③の理由で取り消されると、その後も税務調査で厳しい疑いの目で見られることになります。
ワンポイント!
青色申告を取り消されても、再度青色申告承認申請書を提出することで、新たに承認を受けることができます。ただし、取消の通知があった日から1年以内に提出された場合は、たとえ青色申告承認の要件をみたしている場合でも、税務署長はその申請を却下することができるとされています。
青色申告のとりやめ
青色申告をしている法人が、今期以後は青色申告を止めたいという時には、今期末から2ヶ月以内に届出書(代表者名、青色申告承認日、取り止めたい事業年度、青色申告を止めたい理由などを記載)を税務署長に提出します。この届出と同時に、青色申告承認は失効します。