在庫管理で節税
在庫は売上原価から除外される
在庫(棚卸資産)管理も節税対策には重要です。在庫を多く抱えると節税にはなりません。
在庫は売上原価から除外される
例えば、小売業の場合、仕入れた商品のうち在庫分は売上原価から除かれるため、間接的に課税対象になっているのです。
企業会計には、売上を上げるのに使った分だけを原価として認識するというルールがあります。(費用収益対応の原則)
つまり、どんなに多額の仕入を行っても、その商品が在庫として残っているうちは売上原価から除かれてしまい、損金にはならないということです。
在庫は資産になる
また、在庫は貸借対照表では「商品」という勘定科目で表示され資産となります。会社の決算書では、資産が多いと利益は増加します。
つまり在庫が多ければ多いほど業績がよく表示され、結果、税金負担も増加してしまうことになります。
では、期末に在庫が大量に残ってしまった場合、どうすればいいのでしょうか?
見切り品として処分する
売れ残った商品は、たとえ赤字になってでもバーゲンなどの見切り品として売ってしまったほうがよいでしょう。売ってしまえば、売上原価に算入できるからです。見かけ上の利益よりもキャッシュを優先したほうが健全といえます。
※会社関係者へ売却する場合、寄付や給与とみなされる可能性がありますので、必ず公正妥当な金額で売却しましょう。
廃棄処分する
廃棄する場合は、廃棄したことがわかるような証拠書類を残しておきましょう。廃棄した事実がわからない(書類がない)状態での廃棄は避けたほうが賢明です。
税務調査でチェックされる
在庫(棚卸資産)は経営の数字に大きく影響を及ぼします。そのため、税務調査の際は、最も注意を要する項目です。
これは、取引先の影響を受けず会社の内部で調整ができるため(現金を動かさないで利益状況を変えられるため)、利益調整が容易にできるからです。
税務調査における棚卸資産のチェック項目
- 棚卸資産の除外(在庫として計上しなければならないのに計上していない)がないかどうか
- 期末棚卸の数量、評価に間違いまたは故意による改ざん(単価の変更、数量の過少申告)がないかどうか
仕入という費用だけを毎月の試算表に計上しているだけでは、正確な利益を把握することはできません。
毎月、棚卸をして在庫管理をし、期末棚卸高を計上することで正確な利益を把握することができ、決算間際でつじつま合わせをすることなく節税できるのです。