固定資産の有姿除却による節税
1.固定資産処分の際の注意点
減価償却資産で、不要なものはできるだけ期中で処分しましょう。減価償却費を算出する手間が省けると同時に、節税にもつながります。
もともと使用していない設備などについては、そのまま所有しておくよりも、処分して帳簿からその金額を落とすようにしましょう。
<処分の際の注意点>
処分する際に、注意すべき点として、廃棄や処分をした時期・日付があります。決算間際にこのような処理を行う場合は、特に気をつけなければなりません。日付によっては翌期の損金となってしまう可能性もありますので、少し余裕をもって処理しましょう。
また、損金として計上するためには、処分した日付が確実にわかるように、処分業者に廃棄証明書などを発行してもらうとよいでしょう。
2.有姿除却
法人税法上では、まだ処分していない資産についても、ある一定の要件を満たしていれば、損金としての計上を認められる場合があります。これを有姿除却といいます。
有姿除却の要件
- 現在使用しておらず、今後事業に使う可能性がないと認められるもの
- 特定の製品生産のための金型で、その製造を中止したため将来も使用する見込がないこと
上記の要件を満たしていると、固定資産がまだ会社に存在していても、将来的に処分することが明らかなので、その帳簿価格を損金として計上することができるのです。
注意すべき点
その固定資産を将来的に使用する見込がないということを証明することは困難です。このような場合は、外部からの証明は困難ですので、内部資料を作成しておくしかありません。
内部資料には、使用しなくなった理由、将来使用しないと結論づけるにいたった経緯を記載するとともに、「固定資産廃棄伺い書」などの書類を担当者から出してもらい、この書類に基づいて税務的な処理を行っていくとよいでしょう。