経営事項審査申請(経審、経営規模等評価申請)
スポンサーサイト1 経営規模等評価申請(経営事項審査申請)とは?
公共工事を、発注者から直接請け負おうとする建設業者は、その経営に関する客観的事項について経営事項審査を受けなければなりません。この客観的事項について審査結果を得ることで評点をつけられるのが『経営規模等評価申請』です。(これまで経営事項審査申請(経審)とよばれてきましたが、平成16年度より名称が変更になりました。)
「客観的事項」とは、財務内容、完成工事高、資格者数など複数の審査対象項目のことです。 公共工事の受注を希望する国や地方公共団体などに、指名競争入札等資格審査申請(指名願い)を提出することで業者登録してもらうわけですが、経審の評点を基に、国や地方公共団体などは建設業者をABCなどのランク付けを行い、そのランクによって発注金額を段階的に分けており、自社の有する力以上の工事は受注できません。 つまりランクが高いほど、大きな請負金額の工事が受注できるチャンスがあるということです。
経営事項の点数に関しては複雑な計算がなされています。ただ漠然と分析を依頼するのではなく、ある程度目標をもってシミュレーションをし、それら数値を経営管理の参考にすることで、評点アップできる場合があります。
また、 反対に、小さな額の受注をしたい場合や、小さい額の公共事業しか見込めないような市町村への入札を予定している時には、ランクを下げて評価してもうほうが、自社にとって良い場合もあります。
2 経営規模等評価で行われる審査
具体的には、経営規模(X)、経営状況(Y)、技術力(Z)、その他の審査項目(W)について審査されます。 また、許可行政庁(各府県庁等)は、併せて総合評定の請求があった場合、経営規模等評価(X、Y、Z、W)の結果と総合評定値(P)を通知します。
- 経営規模(X)
工事種類別年間平均完成工事高・自己資本額・職員数について点数化します。 - 経営状況(Y)
財務の健全性を純支払利息比率、負債回転期間、売上高経常利益率、総資本売上総利益率、自己資本対固定資産比率、自己資本比率、営業キャッシュフロー、利益剰余金などの指標によって点数化します。 - 技術力(Z)
建設業の種類別技術者数、元請完成工事高について点数化します。 - その他の審査項目(W)
労働福祉の状況・工事の安全成績・営業年数・建設業経理事務士の数について点数化します。
3 経営規模等評価申請の具体的な手続の流れ
経審を受ける際には、審査日までに「経営状況分析」を終えていなければなりません。 経営状況分析申請は、国土交通省に登録した「登録経営状況分析機関」に対して行います。 経営状況分析にかかる手数料は、各機関によりサービス内容が異なりますが、おおむね10,000~13,000円ぐらいです
<具体的な手順>
- 建設業者は、決算終了後早い時期に建設業許可の変更届(決算報告)を行います。
- 登録経営状況分析機関に経営状況分析を申請します。(決算書など財務関係資料等を提出して分析してもらいます)
- 登録経営状況分析機関が、経営状況分析(Y)の結果を通知します。
- 建設業者は、許可行政庁(各府県庁等)に、登録経営分析機関による経営状況分析(Y)の結果を添付し、
- 経営規模等評価(X、Y、Z、W)のみを申請するか、
- 経営規模等評価(X,X、Z、W)の申請に併せて総合評定値(P)の請求をします。
- 許可行政庁(各府県庁等)は、上記4-1の場合は、経営規模等評価(X,Y、Z、W)の結果を通知します。上記4-2の場合は、経営規模等評価(X、Y、Z、W)の結果と総合評定値(P)を通知します
※経営規模等評価の結果通知書は、1年7ヶ月で有効期間が切れますので、有効期限までに新たな結果通知書を得ておく必要があります。公共工事の入札参加資格の認定を受けていても、経営規模等評価の有効期限が切れてしまった場合には、公共工事の請負契約を締結することはできません。 したがって、公共工事を請け負うには、毎年継続して事業年度終了後速やかに経営規模等評価申請をすることが必要です。
4 経営規模等評価申請にかかる費用
経審は、取得している建設業許可の業種すべてを受ける必要はなく、指定した業種のみ受けることができます。
申請手数料は、経審を受ける業種と申請する項目(経営規模等評価申請と総合評定値請求を行う場合と経営規模等評価申請、総合評定値の請求いずれかのみ行う場合)によって決まります。
経営規模等評価申請と総合評定値請求を行う場合、1業種が基本額の11,000円で、業種を増やすごとに1業種あたりプラス2,500円になります。
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