学校経営サポート シリウス総合法務事務所

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私立学校教職員の労働組合との対応

  1. 労働組合の要件
  2. 不当労働行為
  3. 不利益扱い
  4. 校内でのビラ・チラシ配布を学校は禁止できるか?

1.労働組合の要件

公立学校の教職員と異なり、私立学校の教職員には、労働組合法、労働関係調整法が全面的に適用されます。したがって、私立学校の教職員は労働組合を結成することができます。

労働組合法は、労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主な目的として組織する団体またはその連合体を「労働組合」としています。したがって、以下のような場合は労働組合として認められません。

監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者とは?

いわゆる管理職といわれる立場の人の事を指します。私立学校においては、管理職がどの範囲まで含まれるのかは学校によって様々だと思います。公立学校に準ずると、教頭までが管理職に含まれます。

2.不当労働行為

労働組合法は、使用者が労働者又は労働組合の不利益となる一定の行為をすることを禁止しています。この、労働組合法が禁止する行為のことを不当労働行為といいます。以下、不当労働行為について説明します。

組合活動を理由とする不利益取扱い

労働者が労働組合の組合員であることや、労働組合に加入し、もしくはこれを結成しようとしたこと、もしくは労働組合の正当な行為をしたことを原因として、労働者を解雇したり、労働者に対して不利益な取扱いをしたりすることです。

黄犬契約

労働者が労働組合に加入せず、又は労働組合から脱退することを雇用条件とする労働契約のことです。

団体交渉拒否

使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなく拒否することです。 また、使用者の団体交渉義務の内容は、単に労働組合側の要求等を聞きおくだけでは足りず、それを真面目に受け止め、誠意をもって協議し対応する義務とされています。 使用者には、労働組合の要求を必ずしも受け入れる義務はありませんから、十分に組合の要求を検討した結果、交渉決裂となった場合は問題ありません。しかし、権限のない者が形式的に交渉に応じていたり、具体的根拠のない説明や不合理な前提条件を出してこれにこだわったりすれば、団体交渉拒否の不当労働行為になります。

支配介入

労働者が労働組合を結成し、もしくは運営することを支配し、介入することです。労働組合の結成・運営に対する一切の妨害・干渉行為が一括して支配介入と考えられています。

経費援助

使用者が労働組合の運営のための経費支払につき経理上の援助を与えることです。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことや、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利、その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与は、労働者の団結権を侵害するおそれがないとして、不当労働行為としての経費援助には当たらないとしています。

労働委員会の手続中における労働者の行為を理由とする不利益扱い

労働者が労働委員会に対し、不当労働行為救済の申立て、再審査の申立てをしたこと、その申立てに関連する労働委員会の調査・審問及び労働関係調整法による労働争議の調整の過程において発言したり、証拠を提示したりしたことを理由として、使用者がその労働者に不利益な取扱いをすることです。

3.不利益扱いとは?

2.不当労働行為でいう不利益取扱いは、「組合活動がなければ使用者が行わない」と思われる不利益取扱いの全てをいいます。解雇、労働契約の更新拒絶、本採用拒否、賃金・昇格差別、配置転換・出向、仕事の割当差別、懲戒処分などが挙げられます。

ex)雇用契約が1年契約の非常勤講師の契約更新拒否は不利益取扱いになるのですか?

⇒ 1年契約の非常勤講師の契約を更新しないというのは、それだけでは不利益取扱いにはなりません。しかし、特別の事情がない限り契約更新の慣行がある場合、雇用契約の継続を期待させる言動があった場合、他者は全て契約更新されたのに、活発な組合活動をしていた者のみ更新されなかった場合などは、不利益取扱いと解される場合があります。

4.校内でのビラ・チラシ配布を学校は禁止できるか?

学校法人は施設管理権を有していますので、特別な事情のない限り、その禁止を申し入れ、警告することができますし、就業規則で学校施設内のビラ配布に関して許可を要する旨を定めることもできます。

また、政治的なビラ配布については、教育基本法により政治活動が禁止されていますので、全面的に禁止することができます。

勤務時間外に、学校施設外でのビラ配布は、原則として自由ですが、生徒に配布する行為は、勤務時間の内外、学校施設の内外を問わず禁止することができます。

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