回転率の計算(棚卸資産、売上債権、総資本)
~生産性の財務分析-損益計算書
1.棚卸資産回転率
過剰在庫になっていないか?を判断する数値です。
棚卸資産回転率=売上原価÷棚卸資産
※棚卸資産‥‥貸借対照表の商品、製品、仕掛品、原材料など棚卸すべきもの
在庫がどれだけ入れ替わっているかをみる指標の一つです。12回転であれば、仕入れた商品が毎月1回ずつ入れ替わっているということになります。
数値が極端に小さければ「不良在庫」を抱えている可能性が高いといえます。通常、売上原価を使用しますが、売上原価が正確に把握できない場合、売上を使用することもあります。
理想は流通業が20回転以上、製造業が12回転以上です。
流通業で10回転以下、製造業で6回転以下の会社は要注意です
2.売上債権回転率
会社の売上げが回収できているかを判断する数値です。
売上債権回転率=売上高÷(受取手形+売掛金)
※受取手形・売掛金‥‥貸借対照表の資産の部の流動資産の中に記載
売上に占める売上債権の割合から保有する現金や預金の適正度をはかる為の指標の一つです。
売上債権が平均して何度支払われるかを表しています。売上債権とは受取手形(割引手形を含む)と売掛金のことです。売上債権回転率が高いほど売上債権のスムーズな回収が行われていることを意味しています。
理想は年6回以上、年3回以下だと要注意です。
3.総資本回転率
儲けが会社の規模に合っているかを判断する数値です。
総資本回転率=純売上高÷総資本
会社の資産運用の効率性を見る指標の一つです。
1年間に総資本の何倍の売上を上げているかを見ることができます。会社が経営に使用している資産が効率よく回収されているかを示す指標です。経営に注いだ総資本に対して売上高が大きいほど会社は元手を無駄なく運用していることになります。(財産の多い企業は一般的に低くなりがちです。)
総資本に比べて売上が大きい会社は回転率が大きく、総資本に比して売上が小さい会社は回転率が小さくなります
総資本回転率が大きければ大きいほど効率のよい会社で、少ない元手で多くの売上を上げている会社であるといえます。
大企業が0.5回転以下、小売業やベンチャーが2回転以下になると経営が危険であるという目安になります。
-貸借対照表による財務分析-
-損益計算書による財務分析-
粗利率・営業利益率・経常利益率・総資本経常利益率
(利益率で収益性分析)
棚卸資産回転率・売上債権回転率・総資本回転率
(効率的に運営されているか生産性分析)
営業キャッシュフローマージン・営業キャッシュフロー当期純利益率
(会社の収益性~営業キャッシュフロー能力を分析)
流動負債比率・長期負債比率・利息支払額倍率
(会社の安全性~営業キャッシュフローと負債比率で支払能力を分析)
営業キャッシュフロ-対投資キャッシュフロ-比率
(安全な投資を行なっているか)
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