融資申し込みをする銀行の選択
取引銀行を選択する
融資を行っている金融機関には、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、ノンバンク、国民金融公庫、中小企業事業など様々なものがあります。
各金融機関の特色を考えながら、自社のニーズを明確にして、金融機関を選ばなければなりません。
金融機関によって、融資姿勢や中小企業向け融資商品のバリエーションは様々です。貸してもらう側だからと受け身にならず、積極的に情報を集めて自らが取引銀行を選択しましょう。
既に複数の金融機関と取引がある場合
複数の銀行と取引がある場合、銀行ごとに現在の取引内容を分析してみましょう。
判断のポイントは、その金融機関が会社に対してどれだけのリスクを負っているかです。それによって、金融機関の会社に対する評価がどれほどあるのかがわかります。
- プロパー融資の金額
- 担保の設定額
- 融資の形態(証書貸付、手形貸付、手形割引、長期、短期など)
- 預金残高(定期預金、普通預金、当座預金)
これらの判断材料をもとに分析してみると、どこの金融機関が自社にとって有利な条件で融資してくれているかが見えてくるはずです。そして、融資の交渉をする場合にも、どの金融機関に重点を置けばよいのかがわかってきます。
無担保融資をどれだけ出しているか?
まずは、プロパー融資の金額と担保の設定額で判断します。プロパー融資をたくさん出してくれているところでも、担保できっちり固められているところは会社にとってあまりメリットのある取引先とはいえません。
逆に、不動産に抵当権や根抵当権を設定していても、2番抵当や3番抵当など設定順位が下位で実質的な担保価値がない状況下でもプロパー融資をしてくれているところは、会社を積極的に評価してくれて支援してくれようとしているということになります。
さらに、保証協会付きの融資や預金担保の融資しかしていないところは、会社を評価していないことになりますので、その金融機関との付き合いはあまり積極的にすることはないかもしれません。
融資の形態
融資の形態を見ても、取引金融機関の判断材料になります。
金融機関として一番難しいのは、証書貸付による長期資金です。これを無担保で出してくれるようなところは大事にすべきでしょう。
逆に、一番簡単な融資の形態が手形割引です。さらに、手形の銘柄を優良上場企業だけに限定しているところは、会社に対するリスクをほとんど負う意志がないということです。優良企業の信用力のみの評価でしかなく、融資をしようとする会社の信用力を評価するわけではないのです。
ノンバンクでは、細かい手形を担保として融資あるいは割引、手形自体を買い取るところもありますので、銀行があてにならなければ検討してみるのもよいでしょう。
預金残高
複数の金融機関と取引をしている会社でも、経理の管理上、売上代金等の振込先の口座は一つだけにしている場合があると思います。
その口座には、常に一定額以上の残高はあるものと思われます。
預金は正式に担保(質権設定)としていない場合でも、返済が滞った場合に差し押さえることができるので、銀行からすると債権保全効果があります。
しかし、自分の会社を評価していない(リスクを負わない)銀行に預金を置いていても融資の面では意味がありません。
実質的に無担保融資をしてくれるなど、会社を評価してくれている銀行に、その振込口座を置けば、それをもとにさらに融資枠を拡げてくれるかもしれません。
新規事業者の場合
新規事業者にとっては、融資の面から見ると、選択肢は非常に少なくなります。
ビジネスローンなどでも、会社設立後2年以上という規定があったり、保証協会でも一般の融資制度は、同一地域で同一事業を1年以上行っているなどの条件があったりします。
したがって、新規事業者の場合、まずは日本政策金融公庫国民生活事業(2008年10月より民営化で株式会社日本政策金融公庫)などの機関や保証協会の創業者用の融資制度を利用することが多いでしょう
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